組対のデカ
 しかも不自然だと思われるワープロ打ちの遺書を残し、靴まで揃えてから。


 おそらく警視庁内でも辣腕で通っていた長谷川が何らかの情報を握っていたのは事実だ。


 それで消されたことも十分考えられる。


 旧捜査四課は今、組対四課に移行しているが、長谷川が現役の刑事だったときのことを知る人間はほとんどいない。


 もう世代交代したからである。


 組対四課の連中も慌てているだろう。


 元々そこの部署にいた人間がビルから落ちて死亡するという、謎に満ちた死を遂げたからだ。


 速水班の人間たちはすでに西新宿の倉皇光社ビルに行っていて、転落死の実態究明を解こうとしていた。


 越沼班の方はまだ事件当日のビル周辺での聞き込み等を行なっているのだが、決定打が出ずに迷っているようだ。


 確かにそうだろう。


 速水班の捜査員の方が妥当な捜査をしているような気が、俺たち組対のデカたちにもし
< 35 / 259 >

この作品をシェア

pagetop