組対のデカ
「確保!」


 と言ってから、連行する。


 河村組の組員は町岡と他二名、フロントの三嶋興業からは同じく三名がビル内にいた。


 俺たち組対五課の人間たちは組対四課のデカと組んで、取引に参加していた関係者を確保する。


 ビル外へと向かい、歩いていく。


 ちょうど突入から三十分ほどが経ち、日付も一つ変わっていた。


 組対の仕事は物品の押収に加えて、容疑者の取り調べも入っている。


 夜が更けていく。


 外には予め停めてある車両に加え、組対部で暴力団関係の仕事を手伝う組対三課のデカらしい人間たちが三人ほどいて、車両を出していた。


「おう、組対三課の連中もやるね。迎えに来てくれたんだろ?」


 そう問うと、主任の木野原(きのはら)が、


「ええ。倉田組対五課長から依頼されました。容疑者を本庁に護送しろと」
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