組対のデカ
てしまう。


 そして現行犯逮捕されたヤクザ者も証拠不十分で釈放される。


 肝心の証拠が出なければ、起訴して送致したとしても、裁判にはならない。


 つまり警察の負けというわけだ。


 今いる組対五課フロアの横には、組対三課を挟んで、一課の人間たちがいる。


 長谷川は何者かにより、巧妙に自殺と見せかけられて殺害された可能性が高い。


 一課が動いている以上、組対も下手に口出しできない。


 殺しとなると、一課や所轄の刑事課強行犯係のデカたちの出番となる。


 速水班と越沼班は早くも現場で小競り合いになっていた。


 速水と越沼は全くタイプが違う刑事だ。


 そりが合わないといえばそれまでなのだが、実際問題、捜査を任された二つの捜査班がタッグを組まないと、事件は解決しないだろう。


 お互いまるでけん制し合うような感じで、捜査が続く。
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