組対のデカ
 警察も動きが鈍いと思われるかもしれない。


 だが実際、有力な証拠などは出てきてないので、対処の仕様がなかった。


 北山院たち一課の人間たちはずっと捜査本部に詰めている。 


 俺にも分かる気がした。


 一課とは部署違いなのだが、速水や越沼がずっと葛藤していることを。


 帳場には主に一課の人間たちが詰めていて、ずっとパソコンなどを使い、今回の事件の検証をしている。


 警察もだいぶIT化した。


 マシーンを使い、事件の根幹にある事実を暴き出す手法を取る。


 何が正解かは分からなかったのだが、刑事事件に答えは一つとは限らない。


 最終的に正解以外の選択肢が消されることはあったにしても、一つの事実だけが残るわけじゃないのだ。


 そういったことは長年警察社会にいれば、誰でも分かる。


 犯罪の街、新宿には今日もおどろおどろしい人間たちが集っていた。
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