組対のデカ
 あちこちで事件が巻き起こる。


 速水や越沼、それに他の捜査班の刑事たちは常に動き続けていた。


 犯罪を解決するために。


 警視庁公安部在籍時、右翼担当の公安第三課でデカをやっていて、当時の三課長の片桐が命令してきたことは数知れなかった。


 公安警察の一職員として上から命令されたことはやり抜いていたのだし、実際右翼と癒着する暴力団とはずっと争っている。


 片桐が退職し、後任の三課長の丸岡とも会っていて顔馴染みだ。


 丸岡は普段デスクワークが主体だが、捜査をして得た情報を一課や組対などに流すことがある。


 情報屋を兼ねていた。


 丸岡は長谷川転落死事件に関し、一定の情報を得ているものと思われる。


 長谷川とは知り合いのはずで、互いにツーカーで通る仲だったことも分かっていた。


 マル暴が捜査情報を他の部署へ回すことは大いにあったのだし、俺たち組対でも一部のデカたちは知っている。
< 49 / 259 >

この作品をシェア

pagetop