組対のデカ
 組対四課も必死なのだ。


 ヤクザ者を相手するにはそれ相応の勇気が必要なのだし……。


 長谷川のマル暴時代を知る人間は、組対四課でも古参の刑事か、片桐や丸岡など公安のデカたちだろうと思う。


 そして長谷川が生前握っていた情報等は全て、家宅捜索に入った城島たち組対四課の刑事たちが取り込んだはずだ。


 さすがに退職してしまったマル暴でも、相当な情報を握っていたものと思われる。


 組対四課の人間たちが同じ組対同士で、俺たち組対五課のフロアに入ってくることもあった。
 

 そういった場合、ほとんどが北など枢軸国へ発進する船舶の摘発の応援などだ。


 同じ組対同士で意見が合うのは事実だが……。


 そして河村組と三嶋興業の関係者六名は口を割らない。


 俺たち組対もずっとこの事件に関わるわけにはいかなかった。


 証拠不十分で釈放が決まる。
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