組対のデカ
第11章
     11
 その日の捜査会議は差して紛糾することなく、散会する。


 悪の街、新宿は大型連休後も絶えることなく動き続けていた。


 大塚会トップの山本陽一は過去に組対四課のデカたちのお世話になった経験があり、警察としても半ば犯罪の常習犯として、摘発し続けている。


 俺たち組対も薬物や銃器などの取締りが主だったし、囮捜査を行なう厚労省派遣の麻取が近くにいるのは分かっていた。


 常に警察でも一課などとは違い、地下社会と繋がり続けている。


 同じ刑事でもまるで違う。


 実際、組対でも俺たち五課は常に東京湾の真ん前にある所轄の港中央署のデカたちと連絡を取り合い、船内に怪しい積荷などがないかどうか調べ続けていた。


 組対でも四課と五課は普段同じ警視庁にいても別行動を取っていることが多い。


 五課も裏方だが、ヤクザ相手の四課はもっと手厳しかった。


 常に暴力団員とつるみ、何かがあればすぐに令状を取って逮捕する。


 もちろん一般人などへの暴力や恐喝などの行為があれば、現行犯で逮捕していた。


 大塚会の山本が動く可能性が高い。
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