組対のデカ
　検察官でも特捜など前線に出ていく人間たちから、警察からの送致書などを管理する検察事務官まで、検察庁内にいる検事は同じじゃない。


　もちろん組織に属しているという意味では、俺たち警察と同様だ。


　おまけに逮捕権も持っている。


　だが警察がしないようなことを検察はしていたのだし、俺たちとしても、同じ公務員でも畑はだいぶ違っていた。


　入院中の大口はかなり年齢が行っていて、検察庁でも上の方の人間だ。


　転落死した長谷川が、サンズイ、つまり汚職事件を追う人間として大口を認識していたのは意外だった。


　俺も死亡した長谷川がそういったことを言っていたと聞いたとき、驚いたのが本音だ。


　大口が単に政治家の汚職事件だけを追っていたとは到底考えにくい。


　やはり裏があるものと思われる。


　それに現役の検事がマル暴と知り合いだったのはもっと驚愕の事実だった。


　俺たち組対五課は銃やクスリなどの密売や取引などを検証するのが仕事だが、組対四課は旧捜査四課時代と同様、暴力団の摘発を主としている。
< 64 / 259 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop