組対のデカ
上から突き落とされた可能性が濃い。


 大塚会大阪支部には五年前、大阪府警捜査四課の捜査員がガサ入れした事実も判明していて、マル暴にとっては格好のヤマだったのだ。


 だが実際ヤクザと対面するとなると、相当な危険がある。


 俺たち組対五課が相手するのは在日外国人で、向こうの国にブツを運びに行く人間たちばかりだが、組対四課は指を詰めたヤクザ相手だ。


 それに組対の仕事は公安のそれと似ている。


 以前いた部署の水を飲みたいとは、もう思ってない。


 だが気にはなる。


 公安が現在、何をやっているのか……?


 特に俺も公安部在籍時は右翼担当の公安第三課にいた。


 絶えずその手の人間たちを締め上げていたので、恨みを買ったこともかなりある。


 一際過激な右翼を取り締まるのは、関係者になってみないと分からない。


 公安第一課や公安第二課のように左翼担当の部署もあって未だに活動し続けているのだ
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