組対のデカ
し、外事などになると、海外にまで乗り込んでいく。


 長谷川が転落死した日の翌日、偶然にも東京湾に停泊中の船舶の積荷検査が警視庁公安部公安第一課のデカたちによって行われている。


 ワインの木箱には拳銃数丁と、覚せい剤や大麻などの薬物が発見され、公安の人間たちが全て押収したようだ。


 警視庁公安部公安第一課のデカたちはこの船が北へと出向する情報を事前に掴んでいたらしい。


 あの枢軸国家に日本からブツが送り付けられそうだったという。


 アジア担当の外事第二課の人間たちも出動要請で駆けつけ、公安の働きが目覚ましかったのは記憶に新しい。


 長谷川はビル屋上から転落する前、何か重大な機密を握っていたような気がする。


 俺たち組対が知らないようなことを。


 それに組対四課の連中でさえ、勘付かなかったことを。


 今、一課は動いている。


 速水と越沼が競争するようにして。
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