組対のデカ
 両方ともかなりのスピードで事件を追っている。


 俺たち組対はじっと見続けるだけだった。


 一課は一課で捜査方針があるのだし、組対の事情はもっと複雑だ。


 裏方だったからである。


 それに入院中の大口検事と、転落死した長谷川の間に一体どういう関係があったのか、まだ知られていない。


 だが長谷川の指摘通り、大口は検察官として、政治家の汚職などを追っていたようだ。


 次に闇に葬られるのは一体誰なのだろうか……?


 気持ちが二転三転する。


 俺たち警察関係者の今の心境は複雑だ。


 複数の事件が交錯している。


 視界が利くまでに時間が掛かりそうだった。


 目の前の霧も自然に晴れるだろうとは思っていて……。
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