組対のデカ
「仕方ないんですよ。警察当局としてもこれ以上深入りできませんから」


「分かった。……だが組対四課のデカたちには言っておく。いずれ連中を別件で捕まえて、身柄を五課に移し、本件で再聴取しろと」


 頷ける話だった。


 倉田は河村組と三嶋興業、それに河村組系列の大塚会を潰すのに手段を選ばないのだ。


 別件で捕まえるぐらいだから、相当な覚悟が要るだろう。


 俺たち組対にとっても、暴力団犯罪の対策は危険な代物だった。


 それをやるのに、同じ横並びの組対四課が動くのである。


 警視庁組対部は独立して成立し、まだ日が浅い。


 元々は刑事部内にあった。


 だが組織犯罪が多発する中で、政府もそういったものを撲滅させるためにあえて組織内を改編したのだ。


 ずっとデカたちが詰め続けている。


 組対四課と組対五課はフロアが隣り合わせにあって、していることも似通っていた。
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