組対のデカ
 ヤクザがそういったブツのバイヤーで、根っこは向こうの国にある。


 だから公安部が絶えず動く。


 公安でもアジア圏内担当の外事第二課の人間たちも活動し続けている。


 外事の人間たちは出動要請と共に駆けつけ、公安の存在感は以前よりも増していた。


 何せ公安のデカたちも、普段は危険な任務を背負っているからだ。


 国の秩序を守るため、公安警察も必要な分だけ動き続けていた。


 俺たち組対は公安と協力し合うことが多々ある。


 今回の歌舞伎町での河村組・三嶋興業の摘発と長谷川転落死事件は繋がっている可能性が高かったのだし、北へと向かう船を公安第一課の捜査員が抑え込んだのも手柄だった。


 東京湾内に停泊中の船舶の積荷検査をして、正解だったのである。


 警視庁公安部公安第一課の刑事たちは後日、ワインが入っていた木箱に隠された銃器とクスリの類をちゃんと確認していた。


 以前から気にしていたようだ。


 公安にも情報は絶えず入ってくる。
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