組対のデカ
 確かに速水と越沼は競い合っている。


 元々二人はあまり仲がよくない。


 単に同じ一課の殺人犯捜査七係にいるというだけで、帳場での捜査会議でも意見が衝突する。


 俺たち組対もそういったことはお見通しだった。


 帳場で刑事たちが揉めるのは致し方ない。


 デカとしての考え方や捜査手法がまるで違うからである。


 俺も傍から見てそう思っていた。


 普段組対部は警視庁でも七階のフロアに詰めていて、電話は鳴りっぱなしである。


 強盗犯や殺人犯などの凶悪犯罪者やヤクザなどに対抗するため、普段地下の射撃場で射撃訓練をしていた。


 訓練のための銃弾ならいくらでも予備がある。


 それに柔剣道などの武道は絶えず行なっていたのだし、逮捕術等も身に付けているのだった。
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