組対のデカ
 刑事は大変な仕事だ。


 特に一課と組対四課、そして俺の属する組対五課は危ないことに接し続けているだけに危険だった。


 デカになった理由は、学生時代に松本清張のミステリーやサスペンスを読んで嵌まったからである。


 かなり影響を受けていた。


 実際、自宅の本棚には今でも清張の小説ばかりが並んでいる。


 清張の作品は電子書籍化されているので、パソコンにダウンロードしていたのだし、捜査の合間に読むことがあった。


 ずっと刑事として目の前にある事件を追い続けている。


 あくまで裏方だったが……。


 その頃、速水班に先を越された越沼班は捜査を継続していた。


 越沼班で越沼に付いている柴嵜警部補はキャリア組で、上司が準キャリアだ。


 同じ国家公務員試験でも、Ⅰ種とⅡ種やⅢ種はまるで違う。
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