夢浮橋



「どうしちゃったんだろう…いつもはこんなんじゃないのに」



いつもは着ている服もそのまま夢の中で再現される。

いつの間に眠ったのか、それすらも思い出せない。


いつもの夢の中とはどこか違うような気がした。











「…よぉ、いらっしゃい」



突然聞こえてきた声に振り向くと、そこには白い猫が一匹、ゆかりを紺碧の瞳で見つめていた。



「猫?なんで猫がいるの…」



猫が可愛らしく首を傾げた。



「可愛い。……まさか、猫がしゃべるわけない…よね」



ゆかりは猫へと手を伸ばし、頭を撫でた。



「おとなしいね。あ、綺麗な瞳……」




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