夢浮橋




「あー……じゃあ説明するから。質問あったらその場でしていいから」



蓮が姿勢を直して、やや不満そうに話し始めた。





「ここは、時の国って呼ばれてる。…………まぁ言わば死後の世界のひとつだな」

「…死後?でも私の夢の中でしょ?」

「…いや、正確にはゆかりの夢の中じゃない。………まぁ、ゆかりとしてはここは夢の中なんだろうけどな」

「よくわからないけど……」

「あー……、どこから説明すりゃいいんだっけな…………。久々だからなぁ………」



蓮は首を捻って考え込んでいる。


…実際ほんとによくわからない。
…死後の国?私は死んでなんかいないし。ここは夢の中だし。

…映画みたいな夢だと、思った。




「……時の国はね、願いを叶えるためにあるの」



考え込む蓮の横で藤壺が口を開いた。



< 37 / 43 >

この作品をシェア

pagetop