恋猿
歩夢は窓の外を見た。

「アレッ、確か目的地は神戸の空港だよな?」

「んっ?」

高志が珍しく歩夢の言葉に返事をした。

「バスが岡山方面に向かってるぜ」

歩夢の言う通りバスは目的地とは逆方向に向かっている。

しばらく走るとバスは港に到着した。

バスに乗る生徒全員が異変に気付き始めた。

直之が言った。

「先生!どういう事なんですかっ!」

一番前の座席に座っていた、担任の肥塚が直之に怒鳴った。

「うるさい!黙って座ってろ!」

バス内が一瞬にして、静寂に包まれた。

「後で説明するから!コチラの指示に従って行動しなさいよ!」

肥塚がお姉系の口調で怒鳴り続けた。

バスは巨大な船に乗り込んだ。

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