僕らのお気に入り❤



「おいしーーー!」

ぱあと花が咲いたような満面の笑みで言ってきた。


また、スプーンで掬って一口、口に入れる。

次々と口にし、あっという間に完食した。



ティーカップに紅茶を注ぎ、父さんの目の前に出す。

「あ~おいしかった。紫君ありがとう」


「ん」

自然と笑みになる。

美味しいと言われて嬉しくないはずがない。



約1年半ぶりだけど、こうして家族そろって夕飯をとったのは久しぶりだった。

作りかけとはいえ、気合いを入れて作った料理だ。

父の為と言ったらキモいけど。


それでも、誰かに喜んでもらおうと

美味しいって言ってくれる人の為に作ってあげよう

そんな風に思ったから、あたしは料理をするんだ。



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