real
はぁ、ホントにだるい。
肩を落として湊へと視線を向けると
相変わらず携帯を携帯の画面を見てニヤニヤしてやがる...
どうやら溺愛している彼女からのmailらしいな
あ-...なんだか幸せな奴見てると苛々してくる
俺の右手には入学式に読む作文、湊の右手には愛する彼女からのmail...
一体この差は何なんだ。
それに、女からのmailでそんなに舞い上がれる湊が不思議だ
別に女からmailがきたって俺はウザいとしか思えない
俺は思うが、俺にとっての幸せってなんだ?
女にも困ったことも無い。
金にも困ったことも無い。
勉強やスポーツだってできる...
...俺に足りないものは何なんだ?
俺を満たしてくれるのは一体何だ...
ふと、そんなことを考えながら歩いていれば
俺の横からしつこい香水の香りが漂ってきた。