時計の針は戻らない。
キーンコーンカーンコーン・・・
放課の合図。
疲れた。
練習はもちろん、すばるの「いかに真由先輩が素敵か」を延々と聞かされるのも疲れる。
絶対ジュース買ってもらおう。
ぽつりぽつり教室から生徒が帰っていく。
教室から階段に向かっていくスリッパの音。
段々小さくなっていくそれらはなんだか心地よくて、好きだ。
ダダダダダダダ!
・・・ん?
すごい勢いで階段から教室に向かってくる音。
「そーすけー!」
「おっ、小春ちゃん」
俺より先に反応したのは、すばるだった。