逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
その時だ。
「まもなく試験開始時間です。
受験者は試験会場に直ちに集合して下さい。
繰り返します。
まもなく・・・」
学校内に響き渡る放送。
もちろん私達にだってそれは聞こえる。
あ、と私達はお互いの顔を見合わせた。
「・・・美里泣きそー」
私を嘲笑うかのように言った羽美。
「羽美だって・・・!」
「うわ、まじだー」
そう言って目にたまっている涙を拭う。
「もう行かなきゃ。」
「試験かー。
一位奪っちゃおっかなー。」
「む、受けてたつ。」
「とりあえずベストをつくしましょーか。」
「よし、じゃ走るよ!」
私達はそのままモデル科の試験会場まで走った。
業界の人がうじゃうじゃいて、走っている時も名刺がとぶように渡された。
「「はぁ・・・はぁ・・・」」
私達は滑り込むように舞台裏までやってきて、
肩で息をする。
「あなたたち、
試験開始二分前よ?
早く受付しなさい!」
膝に手をおいている私達に対し、仁王立ちでそう言う先生。
「はぁ・・・い」
私達は急いで名前を用紙に書いてナンバーカードなどもらってステージに立った。
目の前に見えるたくさんの人達。
そうだ、今回私は余裕なんて感じられないんだ。
羽美がいるから。
授業中ではいつも羽美と競るようにやっているし。
自分の胸に手をあてる。
落ち着け、落ち着け。
10秒吸って、10秒吐く。
焦ると表情が硬くなる。
動きも不自然になる。
だから、落ち着け。
体の力を抜いてー・・・。
リラックス、リラックス。
よし、大丈夫。
いけるよ。
「ではまず最初の項目は・・・」
よし、私は顔をカッと上げた。