逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜



――――――



全ての試験項目が終わった。




今はモデル科全員がステージに立ち、結果を待つ。




今回は前よりもよく出来たんじゃないかと思う。




羽美がいたから気は抜けなかったし。





それに羽美との問題も解決できたからメンタルの面でも異常なし。




何でかな、いつもは自信あるのに。




いつもは、私が一位って確信してるから不安はないのに。




心臓が、こんなにも暴れる。




「それでは、試験結果を発表します。」




うわ、きた。




バクン、その先生の声を聞いただけで心臓が大きく伸縮した。





「それではまず10位から・・・」



・・・っ、今回は一位からの発表じゃないのか・・・。




自分の名前が呼ばれた子はきゃあっと歓声を上げた。




9位、8位、7位、6位、5位、4位、3位・・・。




ここまでに羽美と私の名前は呼ばれなかった。




わかってる、私達二人は2位か1位だと。




心臓が早鐘を打つ。




痛い程の動き。




私は大きく深呼吸する。





「続いて第2位・・・。」




まるで世界と私が切り離されたように・・・。





他の音は聞こえない。




ただ、先生の声だけはよく聞こえる。




「篠原羽美さん。」





象られたような声がグインと私の耳に入り込むように聞こえた。




あ・・・あ・・・。




また私と世界が結び付く。




「わあああっ・・・!」





結び付いた瞬間に私の耳につく、歓声。




あ、あ、あぁ・・・。




少し遠くに立つ羽美が賞状を取りに行くのが見えた。




私は口を押さえた。




なんだこれ、なんだこれ。




なにこの嬉しさ。




心臓から吐き出そうだ。




せきとめられない、不思議な感情が。




「そして、第1位の発表です。





1位は、咲田美里さんです・・・!」




熱い、熱い、人々の目線とスポットライトが私に降り懸かる。




大きい歓声が私の耳に触れる。




ああ、ああ・・・。




私はおぼつかない足で前へ出た。




や、ば、い・・・。




「おめでとうございます。」




気付いたら私の手におさまっている金色のトロフィー。




何だこの感動は。




今までに感じたことはあった?




どうしよう、嬉し過ぎる。




ああ、涙がとまらない・・・。




私は涙を拭いながら歓声に手を振った。
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