逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
―――タンタンタン、と私はステージからの階段を降りてステージ裏までやってきた。
ああ、何だか自分が宙に浮いているような、そんな感じ。
気分が、変。
私はその場に立ち尽くす。
「咲田さん。
今回あなたが入学してから今までで1番よかったんじゃないかな。
いい感じに体も表情も柔らかった、
けど何だか凛とした雰囲気もあって。
素敵だったわ。」
先生がいつの間にか私の前に立っていてそう言った。
先生の微笑みが私の目に映る。
1番、よかった・・・か。
「ありがとうございます・・・!」
私は頭を下げる。
「そうだ、あなたもう入る事務所決めたの?」
先生が首を傾げる。
「あ、いや、まだです。」
私は苦笑いが勝手に浮かんだ。
「連日のようにあなたのスカウトが学校にかかって少し困ってるの。
もうプロも同然なんだから早く身を置いたら?
時間があるときにでも進路、相談しにいらっしゃい?」
先生はまた私に笑いかけてその場を去った。
プロも同然・・・。
嬉し過ぎるお言葉・・・。
やば、にやけそう。
事務所かぁ・・・。
そうだよね、私はモデルになりたいんだから。
いつか考えよう、じゃ遅いんだよね・・・。
私は近くのパイプ椅子に腰をおろした。
そしてなぜだかいつも手放せないたくさんの名刺を目に通す。
より取り見取り・・・ってやつか。
私なんて恵まれてるよ。
こんなにたくさんの人から自分を必要としてくれるのだから。
あー、すごい。
今日先生に相談のってもらおう。
親は私がモデルを目指すことには大賛成だし。
両親にも早く自分がモデルとして活躍してるとこ見せたいしね。
あ、何だかすごい。
身体の底からえもいわれぬやる気が上がってくる。
私は名刺をしまってパイプ椅子から立ちあがった。
ガタン、と音が響く。
ショーも頑張ろ・・・!
私はよし、と頷いた。
そうだそうだ、電話しよう。
私は要路に電話をかけた。
数回のコールで要路の声が聞こえだす。
「はい。」
「あ、要路?」
「そうだよ。あ、試験終わったのかい?」
「うん、そう。
これからどこ集合かな?」
「いつものとこじゃないかな。
俺もそこに向かってる。」
「あ、本当?じゃあ私もすぐに行くね!じゃあ切りまーす。」
「はい、じゃあ後でね」
要路の声を聞いて私は電話を切った。