逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
私は高いテンションからか少し小走りでいつもの控え室までやってきた。
ドアノブに手をかけ、前に押す。
そして私はその空間に入り込む。
まず目に入るのはマネキンにかかった洋服。
うん、美しい。
そして次に目に入るのは・・・。
んむ・・・旬だ。
私はなんだか冷や汗が背筋を流れた。
私は周りをキョロキョロ見まわす。
けど誰もいない。
旬は真剣に何か図のような物を見てる。
あれだ、アレ、
二人っきりとかいうやつ。
そして次の瞬間、旬は図から目をはなした。
そして私を突く旬の目線。
・・・うわ、目あっちゃった・・・。
ほんとに、ほんとに修学旅行の時から一切口をきいていない。
バクンバクン、心臓のボリュームが大きくなり、リズムが速くなる。
何となく目を逸らせなかった。
まあその理由はすぐにわかる。
旬の漆黒の瞳に・・・、
いつもみたいに取り入れられそうになったんだ。
そして旬の口が動いたのが見えた。
何か言う・・・。
「よ。」
旬は軽く手を挙げた。
するとまたすぐに作業に戻った。
“よ"
たった一文字、簡単な挨拶。
ああ、でもほんとに久しぶりのような。
何だか・・・嬉しい。
顔を見るのも辛いくらいに傷ついたのに・・・、
自然に喋れるのが嬉しい。
喋れる、って程じゃないけど目をあわせて言葉をたった一文字でもかわせるのが幸せ。
ゴクン、私は唾液を飲み込む。
何故だか喉が渇いたからだ。
そして私は鞄をテキトーに放って椅子に座る。
「あ、二人ともいるね。」
すぐに要路がやってきた。
「あ、要路ー」
「試験、どうだった?」
要路のいつもの笑み。
「あ、そうそう!
それがね、一位だったの!」
私は両手をパチンと叩いた。
すると要路はんん、と小首をかしげた。
え、要路のそんな行動なんだか変なことを言ったかと不安になった。
「そんなに明るく言うことか?
美里は一位で当たり前かと・・・。
そんな科の試験で喜んでる美里初めてみたな。」
フッ・・・、そんな淡い笑みを私に向けた。