逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
あ・・・。
あぁ。
そう言えば・・・試験で一位をとって喜んだことって・・・。
初めの三回くらいしかないや・・・。
いや、三回も泣く程喜んでない。
バクンバクン、そんな風に心臓が激しく踊る。
そうか・・・。
こんなに、こんなに成績トップがすごいことなんだよね、
本当は。
今更気付くなんて・・・すごい嫌味な奴だ。
「美里?」
要路が私の顔を覗き込む。
急に私の目の前に要路が現れて驚いた。
私は一歩後ずさる。
「何でもないよ・・・!」
うん、うん・・・。
一位ってすごいんだよねぇ、
なんて言ったらずっと二位の人とかに殺されてもおかしくない。
「・・・そう。」
優しい笑みをのせる要路。
うん、と私も笑みを返す。
するとガチャリ、
そんな控え室のドアノブひねる音がした。
私は反射的にそっちを向く。
「お、いるねーぇ」
片手を上げて入ってきたのは郁斗と修。
「ショー何時から?」
時計を見上げる郁斗。
「3時。」
ポツリ、気付くか気付かないかくらいの音量で言う旬。
「おう、さんきゅ」
郁斗は軽い調子で旬の髪に触れた。
それに対し、めんどくさそうな顔でそれをはらう旬。
・・・今は・・・12時半か。
「美里、ご飯食べた?」
隣に立つ要路が私に問い掛けた。
「ううん、食べてない。」
「何か食べたいものある?」
「うーん、特にないけど・・・。
あんまりガッツリ食べたくないから食べるならゼリーとかかなぁ・・・」
私は顎に手を沿える。
食べすぎると胃がもたれる心配もあるし、
上手く姿勢が保てずに動きが鈍るものだ。
「じゃあそういう系購買で買ってくるな。」
そういって私の頭をポンポンと触れる。
「・・・あ、ありがとう・・・!」
私は笑顔で言った。
うん、と頷いて控え室を出る要路。
優男過ぎるわ・・・。