逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜




そして数分して要路が帰ってきた。




まあ、その数分の間は郁斗に絡まれ過ぎて・・・。




正直キレる寸前だった。





「要路ありがとー!」




私は要路が持っていたビニール袋の中からフルーツ入りのゼリーを取り出す。





後でお金かえそう、私は一旦要路の寛大さに甘える。





プラスチックのスプーンでゼリーをすくう。





「俺も食べてー。」





郁斗が私の食べているゼリーを指差す。




「まだ袋の中にあるよ。」




私は冷たく言い返し、食べ進める。




すると郁斗が私の隣で口をあーっと開けている。




「?」




何してんの。




「俺、あーん希望で。」





「馬鹿じゃないの」



ピシャリと瞬時に言い返し、

フンッと私は顔を背けた。




そしてまた一口。




黄桃美味しい。




私がささやかな幸せに浸ったとき、




「ないわ・・・」





ボソリ、旬が呟くのが聞こえた。



・・・?




私は瞬時に旬を見る。




引き攣った横顔が見えた。




そして隣からの発言。




「なになにぃ?



実は羨ましいパターンだろ。」




挑戦的な発言をする郁斗。




旬の口元がピキッと揺れるのが目に見えた。




うわ、これヤバくない?




苦笑いしかできない。




「・・・はぁ?」




ゆっくりと、かつ恐ろしい雰囲気で顔をあげた旬。




「最近美里と絡んでねぇじゃん?



何かあったか?」




ハハ、言葉の後に笑いを付け足す郁斗。





いや、なに言ってんの郁斗サン。



これ喧嘩起こる。




だって旬が郁斗に向ける目線が恐ろしいもの。




ヤバいヤバい。





どうにかしよう。





しかも話の軸が地味に私って何。




「郁斗・・・!



そこの水とって!」




私は話を断ち切るため、
まあ目に入ったものを話題に出してみた。




机の真ん中に何本かあるペットボトル。





「ああ、はいよ。」




郁斗は手を伸ばして私の目の前にボトルを置く。




「ありがとう。」




何とか笑って乗り越えようと最強のモデルスマイルをしてみた。




郁斗の頬が少し赤らんだ。




ッチ・・・そんな旬から舌を弾く・・・、

またの名を舌打ちが聞こえたが聞こえない聞こえない。



何も聞こえない。




私はゼリーを平らげる。



ああ、この空気に堪えられないよ。





私はトイレに行く、と席を立った。




私は廊下に出て一つため息。




はぁ・・・、




郁斗、痛いところつくなぁ。




きっと郁斗は感づいてるな。




私と旬に何があったのかを、ある程度具体的に。




むむ、と考えつつお手洗いを済ませて控え室に戻った。
< 169 / 295 >

この作品をシェア

pagetop