逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
そして数分して要路が帰ってきた。
まあ、その数分の間は郁斗に絡まれ過ぎて・・・。
正直キレる寸前だった。
「要路ありがとー!」
私は要路が持っていたビニール袋の中からフルーツ入りのゼリーを取り出す。
後でお金かえそう、私は一旦要路の寛大さに甘える。
プラスチックのスプーンでゼリーをすくう。
「俺も食べてー。」
郁斗が私の食べているゼリーを指差す。
「まだ袋の中にあるよ。」
私は冷たく言い返し、食べ進める。
すると郁斗が私の隣で口をあーっと開けている。
「?」
何してんの。
「俺、あーん希望で。」
「馬鹿じゃないの」
ピシャリと瞬時に言い返し、
フンッと私は顔を背けた。
そしてまた一口。
黄桃美味しい。
私がささやかな幸せに浸ったとき、
「ないわ・・・」
ボソリ、旬が呟くのが聞こえた。
・・・?
私は瞬時に旬を見る。
引き攣った横顔が見えた。
そして隣からの発言。
「なになにぃ?
実は羨ましいパターンだろ。」
挑戦的な発言をする郁斗。
旬の口元がピキッと揺れるのが目に見えた。
うわ、これヤバくない?
苦笑いしかできない。
「・・・はぁ?」
ゆっくりと、かつ恐ろしい雰囲気で顔をあげた旬。
「最近美里と絡んでねぇじゃん?
何かあったか?」
ハハ、言葉の後に笑いを付け足す郁斗。
いや、なに言ってんの郁斗サン。
これ喧嘩起こる。
だって旬が郁斗に向ける目線が恐ろしいもの。
ヤバいヤバい。
どうにかしよう。
しかも話の軸が地味に私って何。
「郁斗・・・!
そこの水とって!」
私は話を断ち切るため、
まあ目に入ったものを話題に出してみた。
机の真ん中に何本かあるペットボトル。
「ああ、はいよ。」
郁斗は手を伸ばして私の目の前にボトルを置く。
「ありがとう。」
何とか笑って乗り越えようと最強のモデルスマイルをしてみた。
郁斗の頬が少し赤らんだ。
ッチ・・・そんな旬から舌を弾く・・・、
またの名を舌打ちが聞こえたが聞こえない聞こえない。
何も聞こえない。
私はゼリーを平らげる。
ああ、この空気に堪えられないよ。
私はトイレに行く、と席を立った。
私は廊下に出て一つため息。
はぁ・・・、
郁斗、痛いところつくなぁ。
きっと郁斗は感づいてるな。
私と旬に何があったのかを、ある程度具体的に。
むむ、と考えつつお手洗いを済ませて控え室に戻った。