逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
モニターには女の子が手を振りながら歓声に答えている。
今回も前回と同じ審査方法だ。
今回は・・・以前よりも可愛いイメージ。
やっぱりスカート出しな。
ふわふわさせた方がいいよね。
割と暗めの色ばっかりだけど・・・、
まあ可愛い感じでいいのかなぁー・・・。
「要路要路ー」
歓声で声が掻き消されるから、私は大きい声で叫ぶように呼び掛ける。
「なんだー?」
要路も口を大きく動かして大声をだしている様子。
あまり聞こえないけど。
「今日の歩き方さー、
可愛い感じでいいのー!?」
「んー!?
・・・ミステリアスな雰囲気がでてればいいって言っていたよ・・・!」
要路は声を張る。
私はそれを聞いてはたと考える。
ミステリアス・・・ね。
ミステリアスかぁ・・・。
不思議ちゃん、でいいのかな。
いいか、別に。
スカートふわんふわん揺らして自分の世界に入り込んだみたいに真っすぐだけ見て。
ああ、いいかもしれない、
不思議ちゃん。
よし、決まり。
イメージが固まる。
そして刻々と時間は過ぎて私の出番の2番前になる。
私はマフラーを無造作に巻き付けボリュームをつける。
帽子もいい感じの角度で被って。
鏡でチェック。
よし、完璧。
「咲田さん準備お願いしまーす。」
そう大声で呼ばれ、私はステージのすぐ脇に行く。
「美里!」
胸をおさえていると聞き慣れた声が耳に入る。
私は反射的にそっちを向く。
要路だ。
「期待してる・・・!」
要路はニコッと優しい笑みとともにその言葉を私に届けた。
私もニッと笑い返す。
「任せて・・・!」
そう言った時、私の前の出番の子が戻ってきた。
きたな・・・。
私は息を吐く。
そして要路を見て、アイコンタクト。
うん、頷く。
会場のBGMが私達の選んだ曲に変わる。
洋楽だ。
私は弾むような足取りでステージに立った。