逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
「っしゃああ!」
修は大きく跳びはねた。
「ははっ」
修元気ー。
ああ、にやける。
楽しいな、なんだか青春真っ只中って感じ。
仲間とともに笑い、喜び・・・。
やば、道徳の教科書みたい。
私が入学してからずっとショーを見に来てくれているファンの子が手を振ってくれている。
ありがとう、と自然に笑顔を浮かべて手を振りかえす。
何とはなしに、羽美に視線を向ければ羽美が何か口をパクパク動かしている。
何か伝えたいことがあるみたい。
なんだ?
私はチョンと郁斗の服をつまむ。
「ん?」
郁斗はグルリと振り返る。
「羽美が何か言ってる。」
修達がそれぞれに散らばり、
歓声にこたえている中、
私は小さな声でコソッと言った。
郁斗は何も言わずに羽美に向かって目を凝らす。
「・・・何かポーズしろってことじゃね?」
郁斗は首をんん、と動かしながら答えた。
・・・ポーズ。
私にはモデルとしてのキメポーズくらいしかしらない。
ハメを外したポーズはあまりやった経験がない。
「はい皆しゅーごー!」
ピピー、なんてホイッスルを鳴らすそぶりを見せながら言う郁斗。
はぁ?なんて言いつつもノリよく皆集まる。
「なんか写真とろーぜ、
ウケるヤツ。
羽美が撮ってくれる。」
郁斗は悪戯っ子みたいな笑顔を浮かべた。
そうして私達は羽美の前に立つ。
まずは普通に手を繋いでジャンプ。
三枚くらい。
その次は戦隊物みたいにカッキーン、て感じのポーズ。
その次は私が修を蹴り飛ばすみたいな。
私は目一杯に足をあげて、修は必死に跳んだ。
―――――
「ぐはっ!」
「ひっ!やべっ、はっ!
これまじ傑作ー!」
「や、ばはっ・・いぃ!」
「笑いが、笑いが・・・!」
撮った写真を表彰式の後で見たところ、それはもう大爆笑。
私が修を蹴り飛ばすヤツが。
修は必死に跳んでいたからか顔がヤバい。
イケメンとか騒がれてるような男ではなかった。
一通り終わって私達は帰ることになった。
打ち上げということでファミレスに寄ってくみたいで。
「あー、先に行ってて。
私用事を片付けてからいく。」
先生に進路相談をうけてもらうことになっていたので、
私は皆とは一旦別れて職員室に行った。