逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
私はファッションショーがあったあの日、
進路相談をうけた。
職員室で担当の先生とかなり話し込んだ。
やっぱりモデルをやりたいから。
いい事務所に所属することは大事なファクターで。
1時間くらい吟味し、
それからまた親と話し合い、
事務所を決めた。
ファッションショーが終わって五日後にそれを決定した。
先生にそれを言うとすごく喜んだ。
「本当・・・!
じゃあ早速連絡しなくちゃね。」
そう言った先生は軽い足取りで電話をとる。
うわ、フットワーク軽いな。
先生は電話越しに笑ったり頷いたり、
よろしくおねがいしまーす、なんて明るい口調で言ってから電話を切った。
そして私に親指をたててくる。
グッジョブ、そんな感じだろうか。
「とりあえず事務所に来てほしいそうよ。
日曜日、先生も引率するから事務所に行きましょう。」
ニコリ、先生は笑う。
私はうまく笑顔がつくれなかった。
まじか・・・。
やば、緊張するかも。
こんなとんとん拍子に話が進むんだ・・・。
でももしかしたら課題を渡して終了、なんてこともある。
やっぱりもう少し痩せてから来年また来てね、
なんてよくある話である。
――――日曜日。
先生が車で迎えに来てくれるということで私は外で待っていた。
はー、と手に息を吐く。
寒いな・・・。
もう冬かぁ・・・。
ぼー、と空を見上げれば、冷たい空気が肌を撫でる。
「さぶっ・・・」
うう、と首を竦めた。
その時。
前から黒い車が向かってきた。
先生のだ。
私は軽く小走りして車に駆け寄る。
「おはよう。」
先生は助手席のドアを開けつつそう言った。
「今日はよろしくお願いします」
私はそう言ってから車に乗り込んだ。
シートベルトをつけて。
よし。
先生に視線を転じれば、まじまじとなめるように私を見ている。
びく、私はすこし後ろに退く。
「あら、ごめんね?
ただちゃんとした身なりをしているかチェックしただけよ。
バッチリね、咲田さんだから心配する必要もなかったかしら。」
そう言うと先生はアクセルを踏んだ。
「いや、そんな・・・」
謙遜しつつ、私は車の窓から冬の景色を眺めていた。