逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜



「はい。」




中から低くて太い声がした。





社長さんは男性のようです。




では、なんて目配せを笹島さんは私達に向けて扉を開いた。





「失礼します。」




私はそう言って笹島さんの後に続いた。





そしてふと顔を上げる。




・・・あ。




社長さんと目があった。




ここは、ここは・・・!




笑顔だ。




私はモデルスマイルを繰り出した。




やば、ちょっと硬い感じになったかも。




心の中で冷や汗が吹き出る。




「初めまして、社長の半沢寛です。


よろしく。」




社長さんは席から立ち上がり、ニコッと笑った。




「咲田美里です。18歳です。


よろしくお願いします。」




私はなんとか落ち着いた口調で喋る。





「では、座って。」




社長さんは私達にソファーに座るように促す。





ソファーは黒の革。




ガラステーブルには指紋一つとしてない。




すごいな。




私は軽く圧巻し、社長に視線を戻す。





まじまじと思わず社長の顔を見てしまった。




・・・端正な顔つきだな。




きっと30代から40代くらいだろう。




学生の頃はモテだろうな、なんて。




「私達の事務所に来ていただき、大変嬉しいです。」




社長さんの笑顔とともに会話が広がる。




志望動機、


事務所に入って仕事は何がしたいか、



特技披露・・・。




と様々に質問され、答えていく。




高校入試の面接みたい・・・。





といっても私は一般的な高校のものは体験したことがないけど・・・。





「うんうん、わかったわかった・・・」




質問を一通り終えると、社長は顎に手を添えた。




何か考えているらしい。




何だろう。




すっごい緊張する。




「うん、そう。



いきなりなんだけど・・・」




社長は目をキッと光らせて私を見つめた。




びく、思わず怯んだ。





「知り合いの放送作家にいいモデルの子がいないかと言われていて・・・。



といってもあまりメディアに出たことのない子ってことでCMの依頼があるんだ。」





その言葉に心臓がドキンと跳ねた。




それって・・・。



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