逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜




「僕達の事務所に入るなら、


その仕事、やってみない?」



首を少し傾げて言った。




社長さんが私の瞳を捕らえる。



ドクンドクン、心臓が体内に鳴り響く。




・・・ほんと?




一瞬俯く。




・・・運が良すぎる。




すぐに仕事の依頼だなんて。




信じられない。




けど、いいチャンス過ぎる。




答えなんて一つしかないでしょ。




「受けさせてください。」




私は頷いた。




すると社長さんはニッコリと満足そうな笑みを浮かべた。




それから正式な手続きをし、事務所に所属することになった。




一旦その日は帰ったんだけど、

後日にホームページにアップするようの写真を撮ったりした。




「これ、台本です。」




「あ、ありがとうございます。」




マネージャーは笹島さんになった。




「監督の三波です。よろしくお願いします。」





「咲田美里です。こちらこそよろしくお願いします!」




CMの打ち合わせとかリハーサルとかあって放課後は早く帰るようになった。





「最近美里放課後はやく帰るねー、どったの?」




「私事務所に入ったんだー。


だからちょっと手続きとか諸々あって。」




「ほんと!?じゃあ一緒に仕事できる日も近いねー!」




「うふふ」




学校はしっかり6時間目までは行ってる。




けどCMのことは話してない。




皆を驚かしてやりたいから。






「あら、勉強熱心ですね。台本そんな食らいつくように見なくても。」




「笹島さん・・・。あはは、足引っ張りたくないので・・・。」





羽美みたいに放課後色々と忙しくなった。




因みにCMはホットココアの宣伝。




私は普通の女子高生役。




制服も着るんだって。




中学以来だったからワクワクしちゃう。





――――2週間後




冬の朝の駅前。




「咲田美里さん入りまーす。」




「おはようございます。」





「おはようございまーす」




朝早い現場。




ついに撮影の日が来てしまった。




私はスタッフの皆さん全員に挨拶をすませ、


折り畳み式の用意された椅子に腰掛けた。




テーブルに置かれたココアを飲む。




言わなくてもいいと思うが、このココアは今日のCMのやつ。




緊張が半端じゃない。




落ち着こう、自分。



ふー・・・はー・・・




台詞はないし。




いい動きをすればいいの。




ヒューと風が吹く。





外の撮影でかなり寒いし。




しかも女子高生だから制服のスカートとか短いし、すごい寒いし。




私はマフラーやらベンチコートのようなものを手繰り寄せて寒さを凌ぐ。





「はい、じゃあ撮影開始しまーす」




1時間くらい経ち、リハーサルも済ましたところで、


威勢のいい声がして私は顔を上げた。




バクンバクン、心臓が痛いくらいに更に内側からたたき付ける。




リハーサルの時も緊張感すごかったけど・・・。





うう、緊張するし、寒いし、やばいし・・・。





「美里ちゃん、緊張しないでもへーきへーき。


割といけちゃうもんだから。



笑って笑ってー」




監督はニッと笑う。




いや、そう言われましても・・・。



初めての仕事でCMだなんてハードルが高すぎるよ・・・。



今更言っても遅いけど・・・。




「ほらー、学校のファッションショーの時の度胸はどうした?」




弄るような口調。




「って、え?


見に来たことあるんですか?」




「え、ないよ。」




「じゃあどうして・・・?」




「色んな人から聞くもーん」




「もーん、て監督・・・」




「可愛いだろ、俺。」




「冗談キツイですよー」




あはは、私は笑ってしまった。
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