逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜



「ひでぇな美里ちゃん」





「ごめんなさい」



笑いながら謝る。




「ほらー、もう撮るよ!」




監督はパンパンと手を叩く。





はーい、と言って私は定位置に立つ。




あー、監督面白かった。





勝手に頬が釣り上がった。




そして突然に気付く。




・・・あ。




心臓が痛くない。




緊張、少し解れたかな。




ああ、これもきっと監督の実力なんだろうな。




私は俯いて頬が硬くならないように動かした。




筋肉がよく動く。




バッチリだ。




「じゃ、よーい・・・はい!」




始まった。




――――――



数日後



「・・・わお」




私は目をパチクリさせた。




完成したCMを見て。




「あはは、美里さんすごい顔ですよ。」




笹島さんが私の隣で笑う。




いや、いや、いや・・・




えぇ?




すごい、すごいぞ。




モニターに自分が居る。




「もう一回見る?」




「は、はい」




なんだか夢のようで、



これが現実だとわかりたくてもう一回そう言った。




駅前のちょっとした高さの鉢植えに腰掛ける私。




俯いてギュッと鞄を握ってる。




そこで下から私の顔が抜かれ、




ハッとしたように立ち上がる。




そして自販機へ。




そして例のココアを買って、それから一口。




うん、そんな風に空を見ながら頷く。




すると後ろからなんか男の人らしい制服を来た人が後ろ姿だけ映る。




そしてココアの名前がはいって終了。





「・・・わお」




「さっきと同じリアクションですね。」




また笹島さんに笑われた。




このCMは好きな人と待ち合わせした女の子をイメージしたらしい。




ココアで落ち着けよ、そんなメッセージ。





「これっていつ放送ですか?」




「・・・3週間後くらいですよ。」



笹島さんは少し考えた様子を見せてから言った。




私はその言葉にギョッとした。




「3週間・・・!」



あー・・・、学校もう冬休み入っちゃってるわ・・・。




ショッキング、皆の反応を生で見れないなんて・・・。




私は肩を落とした。
< 184 / 295 >

この作品をシェア

pagetop