逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜




私は目をパチクリさせた。



え、あ、え?




なに、なに、何?




何その早口な感じ。




すごい忙しいってことが伝わってくるんだけど・・・。





すみません、意味がわかりません。




「えーと、あの・・・、




今のは?何ですか?」




「えーと・・・毎週火曜9時から放送の・・・」




笹島さんはえー、と言葉と言葉の間に声を漏らしつつ続ける。




「いや、そういうことではなくてですね。」





放送時間とか聞いてない!




「それではどういう・・・?」




笹島さんはキョトンとした声で言った。




「あの、ですから・・・。



それって私に向けての仕事ですか?」




私がそう言うと電話越しに笑いが聞こえた。





「何言ってるんです?




ほかに誰がいるんですか。」




笑い混じりの文。





「いや、誰か人違いではないかと・・・。」



これは本気で。




そんな・・・CMに出て・・・、




すぐ仕事って・・・!




嘘だろ、である。




「信じられません。」





「信じてください。現実ですから。」





力強い口調。




「は、はぁ・・・」




私は曖昧に返事をした。





「とにかく、明日は仕事ですからね!




9時半に事務所にお願いしますよ。




スタジオには私がついていきますので。」




マジ、か・・・。




これ、夢なんじゃない?





「バラエティー番組に出演することは車の中で相談しましょう。」





そう言うと、それでは、



と一方的に電話を切られてしまった。





ツー、ツー、




と機械的な音だけが私の耳に響き渡る。





私はそのまま手をダランと下げた。




・・・・力が、入らない。




・・・本気で?




明日?仕事?




ありえない・・・。




ありえない・・・!!





私はそう心の中で叫んだ。





・・・いつまでたっても夢は覚めない。




これは、紛れもなく現実だ。




そう認識したのは夜7時。




こうなったら、



全力尽くそう。





私はしっかりと自分でケアをし、



夜9時に就寝した。
< 190 / 295 >

この作品をシェア

pagetop