逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
私は目をパチクリさせた。
え、あ、え?
なに、なに、何?
何その早口な感じ。
すごい忙しいってことが伝わってくるんだけど・・・。
すみません、意味がわかりません。
「えーと、あの・・・、
今のは?何ですか?」
「えーと・・・毎週火曜9時から放送の・・・」
笹島さんはえー、と言葉と言葉の間に声を漏らしつつ続ける。
「いや、そういうことではなくてですね。」
放送時間とか聞いてない!
「それではどういう・・・?」
笹島さんはキョトンとした声で言った。
「あの、ですから・・・。
それって私に向けての仕事ですか?」
私がそう言うと電話越しに笑いが聞こえた。
「何言ってるんです?
ほかに誰がいるんですか。」
笑い混じりの文。
「いや、誰か人違いではないかと・・・。」
これは本気で。
そんな・・・CMに出て・・・、
すぐ仕事って・・・!
嘘だろ、である。
「信じられません。」
「信じてください。現実ですから。」
力強い口調。
「は、はぁ・・・」
私は曖昧に返事をした。
「とにかく、明日は仕事ですからね!
9時半に事務所にお願いしますよ。
スタジオには私がついていきますので。」
マジ、か・・・。
これ、夢なんじゃない?
「バラエティー番組に出演することは車の中で相談しましょう。」
そう言うと、それでは、
と一方的に電話を切られてしまった。
ツー、ツー、
と機械的な音だけが私の耳に響き渡る。
私はそのまま手をダランと下げた。
・・・・力が、入らない。
・・・本気で?
明日?仕事?
ありえない・・・。
ありえない・・・!!
私はそう心の中で叫んだ。
・・・いつまでたっても夢は覚めない。
これは、紛れもなく現実だ。
そう認識したのは夜7時。
こうなったら、
全力尽くそう。
私はしっかりと自分でケアをし、
夜9時に就寝した。