逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜



そうしてメイクも完成させ、

ヘアースタイルはストレートのままに。




「咲田さんお願いしまーす」




そう言われてイスからガタリと立ち上がる。





「は、はい!」




バクン、心臓が大きく伸縮した。




「・・・」



大丈夫、大丈夫。




初めて本格的なファッションモデルの仕事をするけど・・・、




こんな場面にいつ遭遇してもいいようにモデル科で勉強してきたじゃんか。




できない?




そんな訳がない。




できる、私、できる。





「お願いします」




カメラの前に立つ前に、



スタッフの皆さんに頭を下げる。




そしてカメラの前へ。




「じゃあテキトーに動いてもらう感じでー。」




カメラマンさんからとぶ指示。




フリー、ね。




私は表情をつくる。




「ちょ、新人でしょ?


いきなりそれは・・・」




私はポーズをとる。




カメラから見て横向きに、



口に手をあてて。




カシャ、そんな風にシャッター音とライトが眩しい。




「・・・いや、大丈夫そうです。」



「・・・そう・・・だね。」





私はドンドンポーズを決めていく。




足をクロスさせて歯を綺麗に見せる角度まで口角をあげてみたり。




首を傾げて真顔にしてみたり。




躍動感溢れる感じにジャンプしてみたり。




・・・うわ・・・!




すっごい楽しい・・・!




「はい、オッケー。」




一分も経たないうちに撮影は終わってしまった。




「え」




思わず声を上げてしまった。




・・・も、もう終わりなの・・・!?




・・・ショック・・・。




私は少し肩を落としつつ、カメラの前から退いた。




そしてイスに座る。




水を一口。





すると編集長さんが私の前にやってきた。




私は咄嗟に立ち上がる。




「いや、座ったままでいいよ。」




ニコ、そんな風に笑いかけて言った。





「あ、ありがとうございます。」




私はスカートを押さえつつ座った。




「すごくよかった!



また今度、すぐ次号でも載ってもらいたい!




とりあえずお疲れ様、次は質問ですよ。」




そう笑って踵を返してどこかへ行った。




私はその後ろ姿を呆然と見つめた。




そして、



・・・やった・・・!




褒められた・・・!




私は小さくガッツポーズをした。
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