逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
翌日―――――
「・・・この色だな。」
今は放課後。
今日から作業を始めようということで、今は布の調達。
学校の倉庫のような場所にいる。
学校の布はすごい。
色も種類も豊富。
絹、麻、綿、化学繊維まで。
ひとくくりに青と言っても、アリスブルーからミッドナイトブルーまで、本当に微妙な色の違いがある。
そんな中、木崎旬はロイヤルブルーを引っ張って来て私にあてがる。
この色、嫌いじゃないな。
「うん、それでいいんじゃないかな。」
要路は私の姿を見てうん、と頷く。
すると木崎旬は布を必要な分だけカットした。
よし、行くか、
そう言い、布を抱えて倉庫を出る。
そしてアトリエに向かった。
―――――――
「じゃあ俺は作りはじめるから。」
そうぽつりと木崎旬は呟くと作業台に向かう。
シャーっと布を裁つ音が鮮明に聞こえる。
「じゃ、俺も何か手伝うよーん。」
私がボーっと立ち尽くしていると、
郁斗が軽快にステップを刻みながら木崎旬に近づく。
「じゃ、これ型通りに切っといて。」
木崎旬はそう言ってまた自分の作業を再開する。
要路や修もそれぞれに木崎旬を手伝っている。
私も何かした方がいいかな?
そう思っていると、要路が私の袖の型を取りに来て、
“モデルだからこういうことしとけばいいのか"、
なんて実感。
要路はありがとう、
とニッコリ、キラキラのスマイルを浮かべて私から離れると、私は雑誌を開いた。
ポージングの研究だ。
今回の服のデザインはクール系だからなー、
なんてページをパラパラめくる。
顎突き上げたりした方が決まるかも。
やっぱり笑顔はあまりそぐわないかな。
手も振ったりしたら絶対服のイメージ壊れるし・・・。
かといって客を飽させない・・・。
難しいな。
割と今まで可愛い感じの服ばっかりだったからな。
私は頭をひねらす。
そんな時、上から声が降ってきた。
「勉強熱心だね。」
この声は・・・、
と顔を上げれば要路がテーブルに手をついて私を見ている。
「そ、かな?
皆こんなに頑張ってるのに私の不甲斐なさで壊したくないから」
私は要路を見上げた。
すると要路はフワッと表情を緩めた。
そして机についていた手を私の頭にポンとのせた。
え・・・。
要路が私の頭を撫でている。
「一生懸命で、えらいね。」
そう言って私の顔を覗き込む。
ドキ・・・。
心臓が高く鳴った。
「ありがとう・・・」
私はドキドキしつつもモデルスマイルで返す。
すると要路もコクンと頷いてから微笑み、
また作業に戻っていた。
ほんと、要路ってお兄ちゃんみたい。
親戚の年上のお兄ちゃん。
そんなキャラかも。
褒められただけなのにすごい優越感を感じる。
皆の方に視線を向けると、
何故か他の三人はギロリと要路を睨みつけていた。