逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
その日作業は型をとって、布を裁ち始めたくらいで終わった。
帰りは皆が私を送ってくれた。
家、方向違うのに。
次の日――――
私が朝、準備を終えて、さあ学校に行こう、
そう思って靴を履こうとした時。
ピンポーン・・・
家のインターホンが鳴った。
「美里でてくれるー?」
キッチンからのお母さんの大声。
はいはい、と私は立ち上がって玄関のドアノブを掴んだ。
朝から誰ですかって感じ。
「はーい」
私は扉を開いた。
すると目の前の光景に目を疑った。
あれ、今日カラコンいれたから目霞んだ?
一瞬、
瞳に映る光景を否定しようとした瞬間に現実に引き戻された。
「おっはよーさん。美里。
今日もお綺麗でいらっしゃいますねぇ。」
そんな聞き慣れた声。
自分の耳を疑う。
・・・声が出ない。
あ、の、え?
「おい!郁斗!美里テンパってるだろ!」
またまた聞き慣れた声。
何なんだ、この状況。
目の前に、私のチームメイト・・・
つまり修、郁斗、要路、木崎旬がいる。
「えー・・・と?
今日なんか約束してたっけ?」
私は鞄を両腕で抱えて、
バタンとドアを閉めて外にでる。
「いや、お姫様をお迎えにあがろうかと思いまして。」
そう言うと郁斗はいきなり腰に手をまわして来る。
今日も相変わらず軽い。
ちょっとセリフが・・・。
それよりも驚きなのは、
自分が郁斗に抱き寄せられることに慣れていることだ。
慣れって怖い。
そして学校へと足を進めだす郁斗。
つまり、“迎えに来た、一緒に行きましょう"ってことかな。
私は一人で分析し、なるがままに足を動かす。
すると後ろからぎゃあぎゃあ声がした。
「おいてめぇ、郁斗!
気安く触ってんじゃねぇよクソヤロー!」
そう言ったのが聞こえるとクイっと腕を引っ張られた。
私の体が傾く。
おっとっと、私は体勢を立て直す。
「修か、近所迷惑だぜ?」
確かに修の大声は近所迷惑ではあるが・・・。
それよりも先に、両方から引っ張られる私の身にもなって。
近所迷惑より私が迷惑。
すると二人は私を離して口喧嘩を始めた。
後ろからはぁ、
とため息が二つ聞こえた。
「うっせーな。」
木崎旬がぽつりと呟く。
「同感だ。」
フっと要路は軽く笑って呆れ顔。
私は二人に駆け寄った。
「ね、いつもあんな感じ?」
私よりも二人の方が知り合って長いだろうと言うことで尋ねてみる。
「まあ、そうだね。いつもいつもうるさいよ。
美里まで巻き込んで、大変だったね。」
要路はそう私の質問に答えると、昨日のように私の頭を撫でてくれた。
・・・なんという安心感。
私の心に温かいお湯が流れ込むような・・・。
私がほんわりしていると、またうるさい人達が声をあげた。
「おぉぉいっ!
要路、何やってんだよ!」
また騒ぎ出した、
と思えばツカツカこちらまでやってきて、
要路の手をバシリと叩いた。