逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
校門の前には卒業式、の立て看板。
エントランスに行くと羽美が駆け寄ってきた。
「おはよー!」
ガバ、私に力強く抱き着いた。
「おはよう」
私も抱きしめ返して挨拶する。
「今日歌練してから卒業式だってー」
「ほんとー、何時から?」
「8時15分」
「あ、あと5分だし。」
「個々に音楽室?」
「うん、時間厳守的なヤツ。」
よーし、行こう。
なんて私達はノリで肩を組んで歩きはじめた。
旬も修達と歩きはじめている。
なんだか、今日が最後なんて思えないくらい、
いつも通りだな。
どうしてだろう、実感が湧かないよ・・・。
そんな気持ちを抱きながら歌練に臨んだ。
歌練を終え、
私と要路の言葉の内容も確認し、
私達は着替えに入る。
学校来るまでは私服、とされていて、
卒業式は自由ではあるが正装とされている。
私は以前の作りかけのオレンジのドレスを作り上げてもらい、
それを着る。
「わー、美里そのドレス可愛いー」
「ありがとう、
これファッションショーの時、没になったやつなの」
「え、最後のファッションショー?」
「うん」
「まああのドレスが出来たらどのドレスも没になるよー」
ハハハ、と笑う羽美のドレスも可愛いものだった。
光沢のある水色のミニドレス。
羽美はショートの金髪だからやはり短い服が似合うな。
「あと・・・、15分で入場だね。」
羽美はチラっと時計を見た。
それを言った羽美が、すごく切なそうに見えた。
・・・羽美のこんな顔、初めてみたな。
私はそう思いつつ、なんだか今立たされている場面を痛感してきた。
トイレを済ませ、
モデル科の皆で写真をとったり、
卒業アルバムにコメントをかき合ったりしていたら時間が来てしまった。
科ごとに在籍番号で並ぶ。
「・・・卒業生が入場します。
拍手でお迎え下さい。」
音楽が流れはじめた。
前がどんどん進んでいく。
ああ、始まってしまったな。
・・・刻々と、終わりの時間に近づいてしまうのか・・・。
私は唇をキュッと結んだ。