逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
「・・・まず一言言わせて下さい、
・・・三年間、本当にありがとうございました・・・!」
私はマイクから一歩離れて礼をした。
「・・・卒業生の皆、
・・・私達が入学してきた日のこと、
覚えていますか?
・・・私は鮮明に記憶しています。
桜が舞う春の日、
右も左も分からず戸惑っていたとき、
先輩方が声をかけて下さったんです。
その時の先輩は、すごくかっこよくて、
こんなモデルになりたい、
って心の底からそんな気持ちが沸き上がりました。
それからは毎日毎日、どうしたらいいのか、
考え、突っ走って、
時には止まって考えて、
また走り出して・・・。
そんな三年間だったんじゃないかと思います。
私の意識の中で、
ここにいる皆は誰もがライバルだって思っていました。
いつかは、蹴落とさなければいけない、
そんな存在だと思っていました。
・・・ですが、授業を一緒に受けていく内に、
この人のこんな所がすごい、
ここは見習わなきゃな、
とか・・・、
尊敬するような存在になっていきました。
皆はライバルであり、
とてもいい仲間でした。
私が1番この学校生活で心に残っているのはファッションショーのことです。
チームメイトが、私を変えてくれました。
外見もそうですが、内面も。
外見が変わるだけで内面も変えさせられるんだ、
って感激したのは忘れられません。
ステージに立つときはすごく楽しかったし、
終わった時には達成感で心が一杯になりました。
そんなチームメイトともうステージを作れないのはすごく悲しいけど、
それは仕方ないです。
私達は、少し他とは違う15歳から18歳を生きました。
専修学校、という中でモデルを目指した私を、
きっと父や母は心配したことでしょう。
時には反抗したりしてしまいました。
両親が私を支えてくれたから私が居ます。
この場を借りて、言わせてください。
こんな未知の世界に入っていった私を応援してくれて、
ありがとう、
大好きです。」
涙が出そうになった。
けど私は続けた。
「・・・私達がそれぞれの道を歩きだしたら、
きっと迷うことがあると思います。
自分を見失ってしまうかもしれません。
そんな時は、
この学園に来てみましょう。
きっと自分が何をしたいか、思い出すことです。
お互いの道を歩んで、
自分の選んだ道を後悔しないように、
歩いていこうね。
ありがとう、さようなら。
皆、大好きです。」
私はそう言って頭を下げた。
ワッと拍手が起こる。
私は顔が上げられなかった。
・・・涙が、出ちゃうよ・・・。
ううん、もう顔なんかグチャグチャだ。
私は目にタオルをあてながら顔を上げた。
・・・貯めていた涙が一気に決壊してしまった。