逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
箸をとってお弁当の中のプチトマトを口に放る。
「あー、もう三年経つのかー。」
友達は頬杖をつきながら言う。
「そうだねー」
口を動かしながらテキトーに返事をする。
なんというとりとめもない会話。
けど、
やっとか、
って感じ。
この学校は三年制で、
そんな私達は今年三年目。
高等課程は今年で終了。
来年からは専門課程。
就職する人もいるけど。
私も就職(というのだろうか)希望者だ。
学んできた二年が懐かしいとか、
高等課程が終わるのが悲しいとか、
そんな感情はない。
そんな感情よりも、
自分の夢を叶えたい。
そんな気持ちの方が断然強い。
私はモデル科でモデルを目指してる。
この夢はずっと変わってない。
「・・・にしても今日は騒がしくない?」
私は話を切り替え、友達に問う。
今日はいつも以上にざわついている。
近くでも大きな声が聞こえたり。
ザワザワ・・・って感じよりも上のランクの騒がしさ。
新期生が入ってきたから?
いや、
それだけじゃないな、
この騒がしさ。
というかうるさい。
うん、
いつもよりもすごくうるさい。
すると彼女はあー・・・、なんて周りを見ている。
そしてある程度キョロキョロして、私を見る。
そして怠そうな、そんな表情で口を開いた。
「新しいチーム作ってるんじゃない?」
そう一言済ませると、
彼女はまた箸をすすめた。。
「あぁ。」
納得だ。
だから皆ナンパみたいに見知らぬ人とかに声をかけているんだ。
この学校には学期末になると、コンテストがある。
様々な学科でのコンテスト。
一般公開もされていて、
毎度毎度たくさんの人が訪れる。
その中で1番人気があるのがファッションショー。
服飾科、
ヘアメイク科、
メイク科、
ネイルアート科、
モデル科、
そのの5人1組のチームを編成し、
服をつくり、
メイクをし、
髪型もネイルも・・・
なんて様々なものをモデルに施したファッションショー形式のコンテスト。
チームは三年間ずっと一緒でも、
一年ずつ変えても、
コンテストがある度に変えても、
何だって構わない。
ただ美園の生徒であれば。
私も何度か参加したことがある。
チームにはずっとは居なかったけど。
ちょこちょこチームを変える。
何か・・・どこもピンと来なくて。
ランウェイで歩くのはすごく楽しい。
だけど、
終わった後の爽快感とか・・・
そういうのは皆無で。
笑顔とか、
涙とか、
叫びとか・・・、
終わった後にはどの子も思わず、衝動にかられて起きているのに・・・。
私だけがなくて。
取り残された気がして、悲しい。
いつも、寂しいんだよなー・・・。
孤独のベールに包まれる感覚が。
だから、私はずっと探してる。
歓喜、
感動、
苦しさ、
切なさ・・・
全てを共有しあえる、そんなチーム。
っても2年間見つからなかったんだけど・・・。