逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
メイク室はかなり広い部屋で、
既に他のチームのモデルが髪をセットしていたり、
ネイルもしてもらったりしている。
私が扉をくぐった瞬間に、何か嫌な視線とヒソヒソと聞こえるざわついた声。
私はそれを皆無とばかりにツンとした雰囲気を作る。
そして空いている鏡の前に座る。
すると修がやってきて女の子達にきゃあああっと言われている。
は、私との反応の差が。
さっきみたいにあからさまに悪口みたいなものを言われた事は今までなかった。
だから少しだけ怖くなった。
そして私に近づき、修はよっと片手を上げる。
「・・・女の子達の歓声を起こさないでもらえません?」
「ムリ。」
「なんかムカつく。」
自分の美貌はどうにもなりません、みたいな。
「ま、髪やるかー・・・って、メイク先がよかったか?」
修は私の髪をいつものようにくいくいと引っ張りながら言う。
「大丈夫・・・だと思う」
最後の方は濁しておいた。
修は早速私の髪に取り掛かる。
「あー、もう、スゲーぜこの艶!
髪切ったら俺にくれよ!」
・・・悪いが、少し気持ち悪い。
それでも鼻歌なんかを飛ばしながらルンルン進めていく。
腕に変わりはない。
むしろテンションが高いせいか、いつもよりいい調子だ。
「はい、完成。」
10分経ったかたたないかで修は私の髪から手を離す。
前髪をゆるく編み込んで、後ろ髪はかるく内巻きにしてある。
「相変わらずすごいね。」
私は鏡で後ろ姿も全て確認する。
修は笑っている。
すると修は座っていた椅子から立ち上がる。
「じゃ、郁斗呼んで来るな。」
そう言うと修は歩きだし、
また歓声に答えつつも本気ダッシュでメイク室を出ていった。
モテるって大変、
そうよく言うが、まさにこの状況のことが当て嵌まるんだな、と実感した。
私が郁斗を待って、数分。
本当に同年代なのか、
というくらいのセクシーな感じの女の子を何人と連れてやってきた。
「えと・・・郁斗・・・くん・・・」
私は本当に戸惑った。
すると郁斗は適当に女の子達に笑って、
それでも帰らない子は頬に軽くキスをして帰らせた。
「・・・怖いくらいだ」
私は一言、思わず心の声が漏れた。
そんなことは耳に入っていないのかチャッチャとはじめている。