逆ハーモデル〜美少女×4人のイケメン!?〜
――――翌日。
ファッションショーは終わったというのに、
4人はいつも通りに迎えに来てくれた。
どうしよう、
木崎旬の顔が見れない。
「・・・どうしたの」
そんな気持ちを持ちつつ尋ねた。
すると郁斗が私の肩を引き寄せる。
ヒールが高い靴を履いていたため少しぐらついた。
そして私の耳元に向かって唇を寄せる。
「だってよぉ、試験とファッションショーの翌日だぜ?
いつもより、“アレ"が酷いと思うけど?」
そう言ってフッと息を吐いて私から離れた。
その息に少し身をよじらせつつも納得する。
ああ・・・、なるほどね。
ぎゃーぎゃーいつものように修が騒いでいる中頷く。
「つまり、俺達は美里のボディーガード、ってところかな?」
私の隣でふんわり笑うのは要路。
そして頭にポス、と手を置かれる。
私はその手を目線を転じてちらっと見て笑う。
――――・・・
「きゃーーっ!」
「超カッコイイ!」
「こっち向いてー!」
「あの子じゃね!?」
「超絶可愛いんだけど!」
「ヤバすぎ!」
信じられない数の女の子と男の子。
歳は同じくらいか・・・。
・・・出たな。
心の中で大きくため息をつく。
皆にチラリと視線を向けるとやはり呆れた表情だ。
ただでさえ、
校内のファンも多いというのに、
他校の子も絡むとなー・・・。
そう、
試験やファッションショーの後はいつも他校のファンが増える。
私は校内では、
迷惑になるほど囲まれたりしたことはないがこんな日だけは特別。
本当に、囲まれる。
しかもネチネチした人もいる。
先生達は有名になればこれくらいの事は将来ザラにあるんだよ、
とまあ、
授業の一環と言わんばかりの対応なのだ。
4人はそれぞれ周りに女の子の波が押し寄せている。
・・・私も同様に。
「マジ美里ちゃんみたいな子タイプなんだよねー」
「マジで俺ファンになったから!」
「俺ここの近くの高校行っててー、たまたま昨日来たんだけど・・・」
口々に言葉が浴びせられる。
こういう時は後で反感を買うのが面倒なので、
笑顔で対応しつつも足を進める事。
うーん、
でも今日は人が多すぎるかもしれないな・・・。
どうも校門をくぐり抜けられない。
校門さえ超えてしまえば他校生は入れないのだ。
「あ、あの、遅刻してしまうので行ってもいいですか?」
まだまだ、
と言葉を被せてくる男の皆さんに私も言葉を被せてそう言った。
いや、でもさー・・・なんてまだ付き纏って来る。
これは、史上最高にウザいな。
あー、もう鬱陶しい・・・!
私が振り切ろうと手を大きく振ろうとしたところで、
おでこの辺りに手らしきものが当たり、
押さえ付けられるように頭が何か硬いものにコツンと当たった。