王子様とお姫様
キーンコーンカーンコーン……
1回目の予鈴が鳴るのが、少し遠くから聞こえた。
学校の近くになり、少しスピードを緩めて走っていると、後ろから突然声をかけられた。
「美織! おはよ~」
肩を軽く叩いて私の隣に並ぶのは、親友の舞。
「おはよ!舞」
「今日もよく走ってんねぇ!!」
って笑う舞の笑顔はすごく可愛い。
「走るのが好きなの!」
「知ってる~」
「あ、そういえばさぁー駅前の…」
他愛もない会話を続けながら学校に向かう。
それだけでも毎日楽しかった。