王子様とお姫様
教室に向かう途中に読んだその手紙の内容は、『好きです。付き合って下さい』だけの至ってフツーのシンプルすぎる内容だった。
それでも舞には相当きたみたいで、
「美織、やばい…嬉しい」
なんて頬を赤く染めて目に涙をいっぱい溜める。
「舞、おめでとう!!」
大好きな友達が幸せになれる。
そう思ったら私まで笑顔になれた。
「美織、ごめん先行ってて! 私、塚原くんとこ行ってくる!!」
舞は私に鞄を押し付けて走っていった。
「もうっ…!」
口ではそういいつつ、顔は相当ニヤける。
舞と塚原くん、きっといいカップルになるだろうなぁ。
美男美女でお似合いだし。
なんて想像しながら1人教室に向かった。