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はじまり



始業式の前日―

「あーこれこれ!これだよ念願のFF-Ⅹ」
今日はこのオレ、梅原桜太の愛しているゲームの新作「FF-Ⅹ」の発売日。
こいつのために、オレは今日の朝4時から並んで、ついに手に入れたのだ。
「もう9時じじゃん!17時間も待ってたとかオレ頑張った!うん。」
この喜びを押さえきれずゲームを抱えルンルン気分で店をでたところだった。

店から出た瞬間、誰かにぶつかった。いやぶつかられた。
勢いよくぶつかった上、ルンルン気分でろくに周りも見ていなかった桜太は、抱えてたゲームもろとも盛大に転んだ。

「イッテェー…。んもー前見ろよ。」
いや、オレも前見てなかったけど…
「…。」
相手から声は聞こえない。

でもそんなことはどうでもいい。
ゲームだ!オレのゲームが無事ならどうでもいいんだよ。

桜太は転がったゲームを抱えなおし、ぶつかった相手を一瞥もせずに一目散に家に向かった。


家に着き、わき目もふらずベッドに飛び込んだ。「あー疲れた疲れた。ハゲる~。」
もうすでに夜中の11時。
19時間もたちっぱなしで桜太は疲れ切っていた。「もー寝る!風呂なんて知らん!しょうがないからゲームは明日学校帰ってからだ…。おやすみ。」
誰もいない部屋で独り言を言いながら、桜太は眠りについた。

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