心繋堂

序幕 不思議な依頼

｢今週忙しいのは何でだー!｣


図書室の隣、司書室に響く声…


スパーッン


と、ｽﾘｯﾊﾟ音。


｢いってぇー!何するんだよ!ゴっくん!｣


｢声がﾃﾞｶｲと何万回言えば理解できるんだ?
腐って中身が溶け出てるんじゃないのか?｣


大声の少年…


水無月 至
【ﾐﾅﾂﾞｷ ｲﾀﾙ】


と、厭味な少年…


神宮寺 極
【ｼﾞﾝｸﾞｳｼﾞ ｷﾜﾑ】


は、机上の手紙の山を目の前にして口喧嘩を始めようとするが…


｢卒業式前なんだから依頼が増えるの当たり前なんぢゃない?
てか、早く仕分けしてよ、至くん｣


PCを片手で操作しながらもう片方で仕分けをする少年…


春日井 菘
【ｶｽｶﾞｲ ｽｽﾞﾅ】


が、欠伸をして微笑む｡


｢ｽｽﾞ、それ違うって…｣


先程と同じ声だが、雰囲気が全く違う少年…


春日井 薺
【ｶｽｶﾞｲ ﾅｽﾞﾅ】


が、鷹を見ながら告げる。


｢お前ら、無駄口たたいてばかりしてないで真面目に働け!｣


煙草をくわえた青年…


高千穂 斎
【ﾀｶﾁﾎ ｲﾂｷ】


が、ソファーで寝転んで大きな欠伸をする。


山の手紙には決まって


心繋堂様


と書いてある…