その女、最強総長【完】


前方からスーツとサングラスという見るからに堅気では無い奴等がだらしなく歩いて来る。


案の定、私に声を掛ける。


「兄ちゃん、金貸してくんねえ?」


「…‥」



早速、獲物がかかったみたい。

サングラスを早く割ってやりたい。



「兄ちゃん、聞いてんのかァ?」



返事を返さない私に早くもイライラし始めるヤクザさん。



「…今すぐ失せろ」


「アァ゛?」


「俺の名は凜蝶―…」


「ゲハハハハ…なに言ってんだ兄ちゃん。こんな弱々しいのが凜蝶のわけ……」



…人は見た目で判断しちゃダメよ?



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