その女、最強総長【完】
暫く、目を閉じていた。
寝た。様に見えたのか、凛が俺の頬に手を添える。
「仁、何でだろう。」
今にも泣きそうな音色。
「何で、仁と居ると落ち着くのかな。」
「何で、こんなに暖かくなるんだろう……何で、仁は私に優しくしてくれるんだろう。」
「何で、また大切なモノを増やしちゃったのかなあ…。」
最後のは、自分に向けた言葉の様だった。
ポタリ……ポタリ……
俺の頬が濡れる。
その雫は、凛の涙。