その女、最強総長【完】



「ちゃんと、向き合えよ。」



理事長は何故かとても苦しそうな表情で俺たちに告げ、ドアを開けた。



「…ッ、痛い…よ、流羽…放してよ…」



俺達の目の前に移る凜は初めて出会ったとき…いや、それ以上に哀しい瞳をしていた。


流羽という男は凛をベッドに押さえ込んでいた。



「無理、凛放したら何するかわかんない。」


「何言ってんの?早く放してくんない?」



今俺の瞳に移る凛は凛の皮を被った、悪魔。


そう自分に言い聞かせたかった。



「死ね。」



凛が、そんなこと言うはず無いって



自分に言い聞かせたかった。



< 330 / 470 >

この作品をシェア

pagetop