その女、最強総長【完】
「うぅ…仁兄ちゃん、お願いだから凛ちゃんを見捨てないで…」
腕に泣き縋る、咲也。
凛を見捨てるなんて欠片も思ってない。
でも、これからどう接してあげれば良いのかわからなくて、頭が真っ白になっているだけだった。
「仁、兄ちゃん…、今日の夜に凛ちゃんの病室来れる…?」
「あ…あぁ。」
態々夜に?
また何でそんな時間に俺を病室に呼ぼうとしているんだろうか。
「絶対に、来てね!そうしたら…きっと、答えは見つかるよ。」
咲也のその言葉の意味なんてこの時は知る由もなかった。
仁兄ちゃん、話聞いてくれてありがとう。
そう言って、俺を解放した。